移住者インタビュー 中田さんご夫婦

中田 吐夢さん、真弓さん

中田さん夫婦.jpg 
移住前の住所
イタリア・フィレンツェ
移住日
2016年1月
移住形態
夫婦
ご職業
靴制作/販売
ホームページ
https://www.facebook.com/LaRificolona/
( La Rificolona )

夫婦で脱サラし、神戸市からイタリアのフィレンツェに渡り靴職人の修業した中田吐夢さん、真弓さんご夫婦。祖父の家を自分たちの手で住居兼工房にリフォームし、石井町へJターンされています。

移住先に選んだ理由

(吐夢さん)
僕は、徳島市の出身で大学進学と同時に神戸市に行きました。大学卒業後、神戸市の自転車輸入会社で広告の仕事に就きましたが、仕事を続ける中で、一生大切に使い続けて頂ける「ものづくり」がしたいという気持ちが強くなり、靴作りの勉強を始めました。靴職人を本職にしようと仕事を辞め、思い切って夫婦でイタリアに渡りました。
石井町には、亡くなった祖父の家があり、日本へ帰ろうとなったとき、両親から祖父の家で暮らしたらという提案をもらい、石井町への移住を決めました。

移住して良かったと思うこと

(吐夢さん)
イタリアでの生活は、本当に不便でした。帰ってきて日本ってすごく便利だと思っています。ホームセンターや手芸店に行くと、靴に使える材料が沢山あって大興奮してしまいます。現在はオーダーメイドのみの靴制作をしていますが、今後は神戸・居留地の輸入雑貨店SALONを中心に、主に関西のセレクトショップやギャラリーで期間限定の受注会を開催し注文をもらう予定です。靴職人は、店を持たない人も多く、僕たちも注文をもらって靴を製作し、発送するという形をとっています。仕事先は、神戸、大阪、東京が中心になっていて、京阪神には自動車、東京には飛行機を使って移動しています。徳島は神戸、大阪へアクセスしやすく、東京へも徳島空港、高松空港が使えるので支障なく仕事が出来ています。

(真弓さん)
私は、神戸市出身でイタリアを除けば、神戸市以外で暮らした経験がありませんでした。石井町に来る前は「田舎だろうな」、「なんとなく嫌だな」という思いがありました。近所の方は、ほとんど高齢の方かなと思っていたのですが、引っ越しの挨拶に行くと私たちと同世代の方が多く住んでいて意外でした。石井町は徳島市内に住む夫の両親が引っ越そうかと考えていたぐらい、スーパーなどが近くにあって生活で困ることの少ない便利な町で、町内の産直市では80円、70円、たまに30円なんて値段で新鮮な野菜が売っていて、本当にびっくりしました。生活費の足しにと家庭菜園も始めましたが、来年やめようかと思ってしまうぐらいです。生活費のトータルは神戸で暮らしていた時と比べて、確実に安くなりました。今は移住して良かったと思っています。

移住して苦労したこと

(吐夢さん)
家のリフォームが大変でした。双方の両親に手伝ってもらいながら、床を板張りにしたり、漆喰を塗ったりしました。最初に作業部屋を作り仕事ができる環境を整えて、寝泊まりは徳島市内の実家でしていました。リフォームに3~4カ月かかり、靴の仕事もしなければならないので、最後の方は焦ってしまいました。タンスなどの家財がたくさん残っていましたが、石井町では家庭の粗大ゴミを持ち込みで処理してもらえたのでとても助かりました。最初お金をかけなかった分、住める状態にするまで時間がかかったと思います。

(真弓さん)
創業の補助金を、もう少し早い段階で調べておけば良かったと思います。補助金は新品購入のみが対象となっていて、私たちは中古品の購入を予定していたので、断念しました。中古品でも補助対象になったら良いのにと思います。

(吐夢さん)
都市ガスが無くプロパンガスを使っていることに驚きました。プロパンガス用のコンロを探すのが大変でしたが、地震などの災害を考えたら、プロパンガスにもメリットがあると思っています。

(真弓さん)
こんなに人が住んでいるのに、下水道がないことが信じられませんでした。合併浄化槽浄の工事の見積もりを取ったらすごく高かったので、トイレは汲み取りのままです。資金のメドがついたら町の補助金を活用して、合併浄化槽の設置とトイレの水洗化をしたいと考えています。

これから移住を考えいている方へ

(吐夢さん)
住みだして半年たたないくらいなのでまだよく分りませんが、きちんとした近所付き合いをしていこうと思います。僕たちも、事前に靴を作っていることや、家のリフォームすることをお知らせしました。

(真弓さん)
徳島の人は、気軽に話しかけてくる人が多くて、スーパーで知らないおばちゃんに、「老眼で見えんけん、読んで」って商品を渡されました。若い人は違うかもしれませんが、年配の人はそういうところがあって、イタリア人に似ていると思いました。プロパンガス屋のおじさんが気さくな方で、ガスの取り付け工事だけでなく、知り合いのアルミサッシの業者を紹介してくれたり、親切な人が多いと思います。

(吐夢さん)
自分で家をリフォームすると自由に面白くできると思います。リフォーム前、この家は窓が多く西日がすごく入るので、不要な窓は壁にすることにしました。僕の好みもありますが、窓を全部アルミサッシにせず、昭和っぽい木枠のガラス窓もあえて残しました。耐震性も上がったし個人的にはこの家をすごく気に入っています。個人でのリフォームは、DIYが好きな人には向くかもしれません。水回りなど個人で出来ない部分は業者に頼むことになりますが、知り合いに紹介してもらうなど信頼できる業者選びが大切だと思います。
海外にいた時にも感じましたが、目標無く自分探しの旅に来たというのでは、何もせずに帰ってしまうことになります。逆にいえば、目的や目標さえあれば、どこでも暮らせると思います。徳島で仕事をする以上、藍染めで染めた皮を使った靴作りなど、地域の伝統を生かすようなこともしていきたいと思っています。

中田さん製作の靴.jpg 靴の製作.jpg 靴の型紙を皮に転写.jpg